呼吸・肺痰法(排痰法)とは?理学療法士がわかりやすく解説|呼吸を楽にする基礎知識と種類・セルフケア
呼吸が浅い・胸がつまる・痰が絡みやすい——こうした呼吸に関する悩みは現代社会で増えています。
長時間の猫背姿勢、運動不足、ストレス、季節の変わり目、エアコン環境などによって、呼吸が浅くなる人が非常に多くなっているためです。
また、風邪をひいたときやアレルギーの影響で、喉や胸に痰がからみやすいという人も少なくありません。
そんな中で注目されているのが 「呼吸法」「肺痰法(排痰法)」 です。理学療法の分野では呼吸リハビリテーションという名称で扱われ、多くの臨床現場で実施されています。
この記事では、理学療法士の視点から
・呼吸法とは何か
・肺痰法(排痰法)の基本
・痰が出にくくなる理由
・姿勢と呼吸の関係
・自宅でできる呼吸ケア
・整体院でサポートできる範囲
をわかりやすくまとめました。
呼吸に負担を感じやすい方、胸が苦しくなりやすい方、痰がからみやすい方にも役立つ内容です。

Contents
1|呼吸と肺の基本構造:なぜ呼吸が浅くなる?
まずは、呼吸がどのように行われているのかを簡単に理解しておきましょう。
■呼吸の主役は「横隔膜」
私たちは、空気を吸うときに胸郭(胸まわり)が広がります。
その中心となる筋肉が 横隔膜(おうかくまく) です。
横隔膜は
- 吸う → 下がる
- 吐く → 上がる
という動きを繰り返し、空気を肺に取り込みます。
しかし——
デスクワークや猫背姿勢が続くと横隔膜が動きづらくなり、呼吸が浅くなる ことがあります。
■痰(たん)はどこで作られる?
痰は、気道(鼻〜気管〜気管支〜肺)を守るために作られる粘液です。
通常は自然に体外へ排出されますが、以下の理由で溜まりやすくなります。
- 姿勢の乱れ(猫背)で肺が広がらない
- 呼吸が浅く、気道の「掃除機能」が弱くなる
- 水分不足
- 運動不足
- アレルギー
- 風邪や季節性の気管支炎
- 気温差の激しい環境
痰がからむと呼吸がつらくなり、咳が続く原因にもなります。
2|呼吸法とは?深い呼吸を取り戻す基本テクニック
呼吸法とは、呼吸に関わる筋肉(横隔膜・肋間筋・腹筋など)の動きを引き出し、
胸郭の柔軟性や肺の換気をサポートする方法 のことです。
リハビリや整体の分野では、以下の目的で行われます。
- 呼吸をスムーズにしやすくする
- 胸や背中の緊張をゆるめる
- 姿勢による負担を減らす
- 横隔膜の動きをサポートする
- 体の力みをほどく
「呼吸が浅い」「胸が苦しい」「疲れやすい」と感じる人に効果的です。
3|肺痰法(排痰法)とは?痰を出しやすくする専門的テクニック
肺痰法(排痰法)とは、
気道内の痰を外に排出しやすくするためのテクニック です。
病院では理学療法士が、呼吸器疾患の患者さんに用いることがあります。
(※医療従事者が行う専門的処置であり、本記事ではセルフケアとして安全に取り入れられる範囲を解説します。)
排痰法の目的は、
- 気道のクリアランス(掃除機能)を助ける
- 胸の違和感・息苦しさを軽減する
- 痰が溜まることで起こる負担を減らす
などが挙げられます。
4|排痰法にはどんな種類がある?(医療的根拠に基づく分類)
リハビリで用いられる排痰法は主に次の通りです。
ここでは、自宅や整体院で安全に取り入れられる内容に限定して説明します。
① 体位排痰(たいはいはいだん / Postural Drainage)
体の姿勢(体位)を工夫し、重力を利用して痰を移動させる方法です。
例)
- 背中を少し丸めて前かがみにする(痰が喉方向へ移動しやすい)
- 横向きに寝る(側面の肺の換気を助ける)
- ベッドに座り、軽く前傾(気道が広がりやすい)
姿勢の工夫だけで呼吸がしやすくなることもあります。
② 深呼吸法(Deep Breathing)
最も基本的な排痰法です。
胸郭と横隔膜を大きく動かし、肺の換気を丁寧に行います。
やり方のポイント
- 鼻からゆっくり息を吸う(3〜5秒)
- 肋骨が上下だけでなく、左右にも広がるイメージ
- 口をすぼめ、細く長く吐く
- 胸〜背中の広がりを感じながら繰り返す
胸郭が動くと、肺の中に溜まった空気が入れ替わり、痰が自然に移動しやすくなります。
③ ハフィング(強制呼出 / Huffing)
咳よりも負担の少ない“やさしい排痰法”です。
理学療法の現場でも広く使われています。
やり方
- 軽く息を吸う
- 「ハッ、ハッ、ハッ」と息を吐き出す(声を出さず、口を開いて)
- 胸を押し出すように軽く勢いをつける
咳のような強い力は必要ありません。
④ ブレススタッキング(呼吸の積み重ね)
息を吸ったら少し止め、もう一度吸い足すという呼吸方法です。
肺の奥の空気を広げたいときに使われます。
5|呼吸筋が硬くなる原因:現代人の「呼吸の浅さ」はここから生まれる
① 猫背・スマホ姿勢
胸郭が丸まると肺が広がりにくく、浅い呼吸になりやすい。
② デスクワークの長時間化
背中や肋骨が硬まり、呼吸の幅が小さくなる。
③ ストレスによる胸の緊張
交感神経が高まると肩が上がり、呼吸が速く・浅くなりやすい。
④ 運動不足
呼吸筋(横隔膜・肋間筋)が使われず、柔軟性が低下する。
⑤ 睡眠不足・自律神経の乱れ
呼吸のリズムが不規則になり、胸がつまる感じが出やすくなる。
6|呼吸法・肺痰法の効果(期待できるメリット)
呼吸法と排痰法を日常に取り入れることで、次のような変化が期待されます。
① 呼吸がスムーズにしやすくなる
胸郭が広がり、空気の出入りがスムーズになります。
② 胸・背中・肩の緊張がほどけやすくなる
呼吸筋の動きが良くなると、肩こりや背中の張りにも良い影響があります。
③ 痰を出しやすくなる
浅い呼吸では動きにくい痰も、深い呼吸やハフィングで移動しやすくなります。
④ リラックスしやすくなる
ゆっくりした呼吸は副交感神経を働かせ、体の力みが抜けていきます。
⑤ 姿勢が整い、体の動きが軽く感じられやすい
胸郭の動きは姿勢と密接に関わっているため、呼吸がスムーズになると動作もしやすくなります。
7|自宅でできる呼吸法(セルフケアのやり方)
ここでは安全にできるセルフ呼吸法をまとめます。
① 基本の横隔膜呼吸(腹式呼吸)
- 仰向けor椅子に座る
- お腹に手を置く
- 鼻から3〜5秒かけて吸う
- お腹がふくらむのを感じる
- 口からゆっくり細く吐く
ポイント:胸ではなく“お腹”が動くように意識。
② 胸郭ストレッチ呼吸
- 胸に手を当てる
- 肋骨が左右に広がるように吸う
- 手で胸の動きの変化を感じる
- ゆっくり吐く
肋骨が硬い人ほど効果を感じやすい方法です。
③ 肩甲骨呼吸(背中の呼吸)
- 椅子に座り、背もたれから少し離れる
- 肩甲骨を軽く寄せる
- 背中側へ空気を送り込むイメージで吸う
- 力を抜いて吐く
背中の緊張が強い人におすすめです。
④ ハフィング(セルフ排痰法)
- 少し大きめに息を吸う
- 口を開けて「ハッ」と吐く
- 咳ほど強くない“やさしい強制呼気”
痰が移動しやすくなり、喉に上がってきたら軽く咳をします。
8|整体院でサポートできる呼吸アプローチ
整体院では医療行為(専門的な吸引など)は行いませんが、呼吸や胸郭に関連する筋肉・姿勢のケアができます。
① 肋骨・背骨まわりの硬さにアプローチ
胸郭の硬さは呼吸を妨げます。
肋骨の動き・背中の張り・横隔膜周囲を丁寧にケアすることで、深い呼吸をしやすい状態へ導きます。
② 姿勢の癖のチェックと調整
猫背・巻き肩・反り腰は呼吸に大きく影響します。
呼吸と姿勢は必ずセットで考える必要があります。
③ 呼吸トレーニングの指導
日常で簡単にできる呼吸法やセルフ排痰法は、整体院で個別に指導できます。
④ 自律神経ケアとの組み合わせ
呼吸が整うことでリラックスしやすくなり、心身のバランスも変化しやすくなります。
9|呼吸が浅くなる人・痰が絡みやすい人の共通点チェックリスト
- 1日5時間以上座りっぱなし
- つい猫背になってしまう
- ストレスで肩に力が入りやすい
- 風邪のあと痰が残りやすい
- 胸がつまる感じがする
- ため息をよくしてしまう
- 運動習慣がない
複数当てはまる場合、呼吸法・排痰法を取り入れる価値があります。
10|まとめ|呼吸法&肺痰法は「呼吸を整える土台づくり」
呼吸は生きるうえで欠かせない基本の動作ですが、姿勢や生活習慣の影響を受けて浅くなりやすいものです。
呼吸法は胸郭や横隔膜の動きを取り戻し、肺痰法は痰を排出しやすい状態を作るための方法です。
どちらも道具を使わず自宅ででき、日常的な呼吸の負担を軽くするサポートとして有効です。
整体院では
- 胸郭の硬さ・姿勢改善
- 呼吸に必要な筋肉のケア
- 個別に合う呼吸法の指導
など、呼吸に関わるサポートを行うことができます。
呼吸が楽になると、体の力みが抜け、日常の動作もスムーズに感じやすくなります。
まずは今日から、ゆっくり深く呼吸する時間をつくってみてください。
アクセス・お問い合わせ
シトラス ほぐし家 整体院/関節痛・肩こり・腰痛・膝の痛み改善サポート
住所:東京都羽村市小作台3-13-7
電話:090-8106-9955
営業時間:9:00〜17:00
定休日:火・日曜日
アクセス:JR青梅線小作駅から徒歩5分/無料駐車場あり
公式サイト:https://www.citrus-hogushi.jp
LINE予約:@citrus_hogushi


